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長良川雪景色 2026

  • 2 日前
  • 読了時間: 6分

更新日:17 時間前

うっすらと雪化粧した金華山とぎふ長良川
うっすらと雪化粧した金華山とぎふ長良川

令和8年(2026年)1月21日~25日に掛けて日本列島にJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が停滞し、ここ岐阜県美濃地方に於いても平地で15cmの積雪が観測されました。 明けて26日(日)は晴天に恵まれ、残雪が見る見る溶けていく中で、絶好の長良川散策日和です。 すっかり雪解けとなった南斜面と異なり、山影となる長良川に面した金華山の北面は、ほどよく残雪が残り、深藍色の山肌にうっすらと綿をかぶったその姿は、目の前を流れる長良川の瑠璃色と相まって実に美しい姿を見せてくれました。 普段は目に付く、鵜舟を覆ったブルーシートもここでは、奇跡的に風景と一体化しています。 そんな、鵜飼河戸に係留された鵜舟の1つ1つに目を凝らすと、「えっ?宙に浮いている?」と思う様な光景を目にすることができます。これも、澄み切った水を湛える長良川だからこそできる離れ業ですが、初見の方は、きっと船底の接水面を探すの苦労され、愉しい時間を過ごせるに違いありません。

水面から宙に浮いた様に見える冬支度の鵜舟
水面から宙に浮いた様に見える冬支度の鵜舟

長良川の鵜飼いは毎年10/15に千秋楽を迎え、翌年の5/11までシーズンオフに入ります。その間、鵜舟たちは青いサナギに包まる様に、じっと冬の長良川に身を任せて春の鵜飼開きを待ちます。使っていないのならば、いっそのこと陸に上げてしまった方が舟の痛みも少ないのでは?と思います。しかしコウヤマキのシキイタを隙間なく組んで接着剤を使わずに釘でつないである鵜舟の船底は、板が川の水に触れて膨張する事により互いの板を締め付けあって防水性を高めているので、陸に上げて船底が乾燥して隙間ができてしまわぬ様に敢えて冬の間も川面に浮かべたままなのです。(増水や荒天の場合は引き上げる場合もあります。) そんな身を切る様な寒さの中でも水鳥達は元気です。 この日はキンクロハジロとマガモのご一行が、賑やかに食事をしていました。 左岸の水際では黒い鳥が物凄い数居ます。カラス?と思い目を凝らしてみると、カワウです。中には翼を広げて日光浴をしている者も居ます。きっと寒波が過ぎ去り、このうららかな小春日和が嬉しいのでしょう。ちなみに、鵜飼に使われる鵜は、茨城県日立市伊師浜海岸の絶壁で捕獲されたウミウなので、彼らは鵜飼の鵜の兄弟たちではありません。


河川環境が豊かな長良川は冬の水鳥のバードウォッチングに最適
河川環境が豊かな長良川は冬の水鳥のバードウォッチングに最適

おや?マルヨ(屋号)の杉山秀二鵜匠の鵜舟は、銀色のシートに包まれています。目の錯覚の浮遊状態とも相まって何だか宇宙船の様にも見えますね。この鵜飼河戸の石垣には、プロムナード竣工時に各鵜匠家の屋号プレートが掲げられており、長年の風雨浸水により損壊した物が一昨年、長良川鵜飼文化応援団の手によって復刻されました。しかし、既に傷んだ箇所も見受けられ定期的な修繕が必要な様です。

右下のQRコードから鵜匠さんの情報にアクセスできる鵜匠家屋号プレート
右下のQRコードから鵜匠さんの情報にアクセスできる鵜匠家屋号プレート

普段は水没する機会の少ない、屋号プレートですらこの傷み具合なので、増水期には、ほぼほぼ水没しているプロムナードの最下段の歩道の板(木床版)がすっかり傷んでしまっているのはムリもない事です。冬場の今の時期は渇水が進み鵜舟も着底しそうなほど、ほぼ下限に近い水位となり、川底が良く見え、夏場はヌルついている周辺の木床の歩道もすっかり乾いて歩きやすい状態となっています。この機を逃さず、2月末までの工期で整備工事が行われている様です。 これできっと安心して歩ける様になりますね。ありがたい。

木床版の補修工事が2月末まで行われる
木床版の補修工事が2月末まで行われる


赤ペンキスプレーでの附番は最後の鵜舟(マルイチ)の前で#12となっていた
赤ペンキスプレーでの附番は最後の鵜舟(マルイチ)の前で#12となっていた

さて、ぎふ長良川に別れを告げて、ここより上流の同じく長良川のもう一つの鵜飼の舞台、関市の小瀬に足を伸ばしてみましょう。 小瀬鵜飼の鵜匠家は戦後の昭和26年以降は3家ですが、関ヶ原の戦いの頃は7人の鵜匠さんがおられました。かつてそこで獲れる鮎はぷっくり鮒の様に太っており「小瀬丸」と呼ば、「天下第一」と言われたそうです。(もはや今では見かける事はない) 小瀬の長良川のほとりは、ぎふ長良川より更に静けさを増し、何とも言えない静寂に包まれた穏やかな雰囲気でした。誰も居ない船着き場の階段は、真っ白なシーツが敷かれた様に残雪が貼り付き、冬の空に浮かぶ雲の流れとシンクロし、真っ青な空の色と絶妙なコントラストの対比になっています。

浅瀬に身を委ねる小瀬の鵜舟
浅瀬に身を委ねる小瀬の鵜舟



そんな小瀬鵜飼は、ぎふ長良川の鵜飼いが金華山をバックに映える様に、松尾山が静かに佇まい漆黒の闇を演出してくれるのですが、今日は、こちらも長良川に面する側が山影となり、残雪の美しさを演出してくれます。

松尾山の雪化粧
松尾山の雪化粧

玉堂岩が観たい。そう思い、上流に歩を進めます。多くの鵜飼いの絵を描いた、岐阜出身の日本画家、河合玉堂が描く鵜飼の絵の構図の中心となる大岩です。空から俯瞰すると、まるで恐竜の背骨の様にも見えるゴツゴツとした岩で、悠久の時間の流れを感じさせてくれます。今は静かに川面に沈むこの岩は、夏場の小瀬鵜飼では勇壮な瀬を編み出し鵜飼のクライマックスを演出し、小瀬の景勝地となっています。

小瀬の景勝地「玉堂岩」
小瀬の景勝地「玉堂岩」

そんな玉堂岩を遠巻きに眺めていると、遠くの街の盆踊りの様に、どこか遠くから途切れ途切れにjazzのベースが聞こえてきます。あれ?と振り返るとそこには、観光ホテルがあるだけで、路駐の車も1台もありません。気のせいかと思い再び上流に向かって歩み始めると、今度はパチパチと薪木が燃える音と香ばしい焚火の匂いが漂ってきます。いや、確かにここら辺りは夏の鵜飼シーズンは鵜匠さんと船頭さんが控えている“まわし場”で焚火とかやっているけど、今はオフシーズンだし、一体どこだろう?とまた観光ホテルを振り返ったとき、ホテルの塀の中からパチン!と大きな薪木がはぜる音が聞こえてきました。やっぱり!

少し後戻りする形で、ホテルの塀をぐるっと回ってフロントに向かいます。

あぁここだ!見ると複数のカップル達が焚火を囲んで、仲睦まじくランチを食べています。 早速、私も仲間入り。焚火には当たれませんでしたが川辺に面した特等席を独り占めし、コーヒーを頂くという、日曜日の午後としては出来過ぎの贅沢な時間を過ごすことができました。

天気さえ良ければ至福のひと時
天気さえ良ければ至福のひと時

川のせせらぎ、鳥のさえずり、柔らかな陽光、そして静かな風音…。全てが完璧です。夏場の長良川を思い出す等と言う事が勿体なく、今、この一瞬一瞬を味わい尽くしたい。そう思わせる川辺の一時でさした。

皆様も夏場の賑やかさとは一味違う、冬の長良川の魅力を探しに是非出かけられてはいかがでしょうか?                                     記:深山

 
 
 

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